困ったときはお互い様という言葉があります。
相手に迷惑をかけている人が、この言葉を間違ってつかっていることがありますが、本来はあなたも私も同じ立場や境遇なのだから、あなたの今の状況はよくわかりますよという意味です。
お互いに察することが美徳とされる、私たち日本人ならではの言葉だと思います。
そんな困ったときはお互い様という言葉で、どん底におちいっていた自分が救われたときの話をします。
見えないところで助けてくれたKさん
根をつめてなにか作業に没頭していると、サラリーマン時代に大変お世話になったKさんのことをいつも思い出します。
Kさんは私とは違う部署のお偉いさんでしたが、社内会議などで顔を合わせるといつも

ほら、肩に力が入ってるよ!もっとリラックス!
と気さくに声をかけてくださりました。
そうです。私には知らず知らずのうちに肩に力が入ってしまうクセがあります。
私のそんな様子を見かねて、肩の力を抜いてリラックスするようにと、よく声をかけてくださいました。
自分で気づかないところを指摘されて、徐々に意識してなおすようにしましたが、やはり根を詰めると昔のように肩に力が入ります。
ふと自分でその様子に気がついて、サラリーマン時代のことを懐かしく思い出しました。
出世にも見えない影響力があった
上司の口から聞かされた内容によると、Kさんは見えないところで色々と私に目をかけてくださっていたようです。
同期の中で一番早く昇進できたのも、おそらくKさんの口添えのようなものがあったのではないかと思っています。
社内でもかなりの影響力を持たれていた方なので、私の処遇にも影響があったのでしょう。
絶好調のときにすり寄る人は信用できない
困っているときや落ち目のときに、絶妙のタイミングで連絡をくれたり助言をくれる人が、本当の恩人や友人です。
絶好調のときや時の人になっているときに近寄ってすり寄る人に信用できる人なんていません。
長い人生、好調の波に乗ることもあれば、その逆でどん底に向かって落ちることもあります。
どんなときでも声をかけてくれたり、励ましてくれたり助言をくれる人は、生涯において得難い恩人や友人となります。
困ったときはお互い様という言葉に救われた
自営業として独立しても、順風満帆だったわけではありません。
しっかり準備を進めていた事業が思うようにいかず、夜も眠れない日々を過ごしたことがあります。
そんなとき、いつも一緒に飲みに行ってる同じ自営業の友人が、自宅近くに寄る用事があるといって私を外に連れ出しました。
一緒に食事をしながら、私が落ち込んでいる理由を詮索するわけでもなく、ひたすら話を聞いてくれました。
外にも出たくなく、気分がふさぎ込んでいた私は、話を聞いてもらったことで肩の力が抜けて、スッキリした気分で彼にお礼を言いました。
店を出るときに彼は、自営業の友人との恒例の旅行に最近参加していない私の様子が気になって、声をかけてくれたことを明かしました。
そして、こういってくれたのです。

困ったときはお互い様やからね
そのときは、言葉にあらわせないくらい、うれしかったです。
あなたには、困ったときや落ち込んだときに声をかけてくれる・・・そんな恩人や友人はいますか?
そういった経験をしているので、個人貿易倶楽部の会員の方々の中にも、いつもと様子が違う人がいたら、私から積極的に声をかけるように心がけています。
そう、困ったときはお互い様ですから。