あなたにお子様がいる場合、店舗や病院あるいは図書館の中ではしゃいで走り回るお子様に、何といって注意をしていますか?またはしていましたか?
お子様がいない方は、自分が幼少のころは、どのように注意を受けていたかを思い出してみましょう。
ほぼ間違いなく、こら!走ったらダメでしょ!ですよね?
若干、方言で違いはあるかと思いますが、意味合いとしてはこのような注意のはずです。
10万語の否定語を浴びながら育った私たち
私たちは、物心がつく三歳児になるまでに、およそ10万語の「否定語」を聞かされて育つそうです。
「否定語」とは、「~してはいけない」「~はダメ」などの、行動を抑制する禁止をうながす言葉です。
これらは同じ意味を表している言葉です
次の二つの言葉は同じ意味を表しているのですが、あなたは、どのように感じますか?
廊下を走ってはいけません
廊下では歩きましょう
ともに、「廊下での移動の仕方」について述べています。
手っ取り早くお子様の行動を抑制するには、「こら!」と一喝して、すかさず「走ってはダメ!」と言い放つ方が効率的に思えます。
大声でそう注意されたお子様は、自分の行動が間違っていることに気付かされて、その場ではその行動を中止するものの、「なぜ、走ったらダメなのか」については考える機会を失ってしまいます。
もちろん、一歩進んで「ダメ!」と注意した後に、「こうこうこういう理由でダメ」と言って聞かせる親御さんもいます。
「走ったらダメ」→(行動の制止)→「その理由」・・・という流れで、お子様に教育をしているわけです。
しかし、「禁止」→(制止)→「理由」という一連のプロセスを経るよりも、「廊下では歩きましょう」と諭(さと)すように教えたら、その言葉の中には「廊下は歩いて移動する場所だ」という理由も含まれているので、こちらの方が効率も良く、なおかつお子様自身は考える機会を持つことができます。
まだ結婚もしておらず、子供を持った経験のない私が子供の教育について語るのは、おこがましいことだとは思います。
ちなみに、私の両親は火の怖さを教えるために、ライターで点火した火を私の手に近づけて、「火は熱くて怖いもの」と体験的に教えてくれました。おかげで、今でも火は怖いものと認識しています。ありがたいことです。(今の時代なら虐待かも?)
現代人は最初に否定語が出る
幼少のころから否定語を浴びるようにして育った私たち現代人は、社会に出て困難な出来事に遭遇すると、自分の行動や振る舞いに対して、否定語をともなった言葉が最初に思い浮かびがちです。
・ダメだ、このままじゃ今月のノルマが達成できない!
・全然足らない!まだ月に2万円しか利益が出ない
・どうせまた失敗するに決まってるよ・・・
こういった言葉が思い浮かんでも、それを解決するための具体的施策が思い浮かべば、まだ進歩があるのですが、ほぼ、これらの否定語をともなう言葉に引きずられて、その後のアクションを起こさないまま、失敗体験だけが蓄積されることになります。
・あと10日もあるんだから、どんどん売って行こう!
・月に2万円も利益が出た!来月は10万円を狙おう!
・次は絶対に上手くいくはずだ
先ほどの言葉を、こう置き換えることができれば、行動の手が止まることなく、気がついたら
あれこれ悩んでいたトラブルは解決するようになります。
コップの水をどう見るかで成長できるかがわかる
自己啓発の書籍では、目の前のコップに注がれた水を見て
・もう半分しか水が残っていない
・まだ半分も水が残っている
このどちらをイメージできるかによって、その人物が成功に近づけるかどうかということを述べていることが多いです。
幼少の頃から根付いている否定から入る思考を、一朝一夕で改めるのは並大抵のことではありません。
否定語の排除は今からでも間に合う
せめて、あなたの頭の中から否定語を排除できるような習慣を意識してみたら、今からでも改めることは決して遅くはありません。
この業界のセミナーに初めて参加した時、その懇親会の主催者や参加者の方々が、夢を語る学生のように活き活きとして、前向きな話し方をしているのを目にしました。
否定語が飛び交うのが当たり前だった、会社組織の飲み会に慣れていた私は衝撃を受けました。
あなたも、日々の生活において意識的に否定語を排除する習慣を身につけて、ぜひとも前向きな考え方ができるようにしましょう。