海外から商品を輸入して売ることは転売なのか?
転売が持つ悪いイメージ
あなたは「転売」という言葉を聞いて、率直にどのようなイメージを持ちますか?
俗にいう転売には、レアな商品や数量が限られている商品を先回りして大量に買い込んでおいて、それを「高値」で売りさばく・・・本当に欲しい人の邪魔をしているという悪いイメージがあります。
スポーツやコンサートの会場前などで・・・
いい席あるよ!
余ったチケットない?買うよ!
このように声をかけている「ダフ屋」を思い浮かべるのではないでしょうか。
こういった転売は、需要と供給の関係において、誰かに販売する目的で大量に買い込むことで、安定した供給をストップする行為をしていることになります。
つまり、本来ならばその商品が好きな愛好家や欲しくてたまらない消費者が買うべき商品を、先回りして大量に買い込むことで、わざと買いにくい状況を作り出しています。
このような転売は、ほめられた行為ではなくむしろ、害悪にしかならない行為です。
海外から商品を輸入することと転売には違う点がある
一方、海外から商品を輸入する稼ぎ方である個人貿易に対して、これも一種の転売なのではないか?という声を聞くことがあります。
たしかに、個人貿易ビジネスも自分以外の第三者から商品を仕入れて別の第三者に販売することから、広義(広い意味)では「転売」であるといえるでしょう。
お金と商品の流れは、チケットのダフ屋と同じ方向を向いています。しかし、決定的に違うことがあります。
ダフ屋などの転売は、需要を読まずに先に「供給」のみを意図的に操作して、商品を手に入れにくい状況を作っています。
それに対して、海外から商品を輸入して稼ぐやり方は「いつ・どれだけ・どのくらいで」売れたという「需要」をしっかりと読んだ上で、しかるべき仕入れ先から商品を仕入れて、欲しい方に行き渡るように努力しているのです。
このように、広い意味では「転売」なのですが、狭義(狭い意味)では、全く違うビジネスなのです。(ダフ屋行為はビジネスではありません。念のため・・・。)
海外から商品を仕入れる稼ぎ方は貿易商社と同じ稼ぎ方
個人貿易の実践者は、商品と販売者・購入者の間に介在しつつ、双方の需要を正確に読みながら商品の安定した供給に取り組んでいます。
スケールの大きいものでは、貿易商社が私たちの取り組むビジネスと同じものです。
悪い転売の例がインターネットの発達によってインターネットオークション市場でも繰り広げられている現状から、私たちの取り組む個人貿易も同列で語られがちです。
個人貿易は個人で始めることができる貿易商社の一種であることを誇りに思って、日々の取り組みに精進してもらいたいと切に願います。
日本各地そして世界各国には、あなたが仕入れる商品を楽しみに待っている方々が大勢いるのです。