タイトルにも書いてある「無在庫」
それと対をなすものとして、最近は「有在庫」という用語も目にするようになりました。
あなたも、インターネットビジネスの情報を収集していると、どこかで目にしていると思います。
今日は、最近増えている「無在庫」について思うことを書いていきます。
「有在庫」転売?おいおい、なんだそりゃ?
先日、コーチング(コンサル)の募集を再開しましたが、応募された方々全員に、志望動機を書いていただきました。
すると、多くの方々が「無在庫転売で稼げなかった」という内容を書かれていました。
「無在庫」転売とは、文字通り「在庫の無い転売」のことを指しているわけですが、この「在庫」が「有る」か「無い」かで、どうやらビジネスの手法すら変わるらしいです。
私のようにeBayから仕入れた商品をヤフオクで販売しているやり方は、無在庫での転売を提唱している方々から見たら、「有在庫」なのだそうです。
無在庫はディーラーもやっているから俺たちもやっていい?
無在庫を推す情報発信者は、その「無在庫」に正当性を持たせる目的で、必ず車メーカーとそのディーラーの話を展開します。
新車の購入を検討してディーラーに出向いて、その足で購入した車に乗って帰る人なんて誰もいないじゃないですか?
契約が成立したら受注生産されて別の日に納車されたものを受け取るか、指定場所に陸送してもらうわけでしょ?
だから、売れた後に商品がやって来ることは何も問題がないし、人気のある車種であれば、半年以上もの納車を待ち続けている。
こういうわけですよ!ね?ディーラーも無在庫で新車を売っているんです!
・・・このようなことを主張します。
無在庫転売を仕掛けたのは誰か?
もはや業界の常識レベルにまで浸透した「無在庫」
その起源をたどることは難しく、プラットフォーム(Amazon・ヤフオク・メルカリ・eBayなど)で仕入れてから売ることに疲れた実践者が増えたことで、自然に発生したとも言えます。
あるいは、ちょっと頭のいい人が机上の空論を完成させ、ツールと抱き合わせて仕掛けたとも言われています。
要は、あなたが利益が出ようが出まいが、仕掛ける側には関係がないということです。
余談ですが、こういった「ちょっと頭のいい人」というのは、表では美辞麗句のキレイごとを並べますが、その実、考案した机上の空論には一切責任を持たず、私たちのような末端がサポートをすることでケツを拭いているのです。
あなたがよく知っている業界の第一人者も、面白そうな机上の空論を次々と仕掛けて塾・スクール・コンサルであなたの財布を狙い続けますが、舌の根も乾かぬうちに逆のことを言い出したりするので、タチが悪いです。
無在庫はノーリスクで有在庫はリスクだらけと言い切る謎
おっと、話がそれましたね。
ちょっと頭のいい彼らがいわゆる「有在庫」にはリスクがあると主張する流れは、おおむね以下の通りです。
・毎日リサーチをしなければならない
・売れたら売れたで、毎日発送しなければならない
・仕入れるための資金が必要である
・リサーチをミスると売れない商品を抱えてしまう
・売れたら必ず面倒な梱包をしなければならない
そして、無在庫はこれらの「リスク」とは無縁なので、誰でもできるという甘い誘惑で、その気にさせます。どうですか?まったくこの通りのことを言っていたでしょう?
誰にでもできるのに、私のような小規模なところにも稼げないという方々が来ているのは、不思議なことです。おかしいですよね・・・。
無在庫販売は美しい・・・完璧な流れだね
在庫を持たずに人様の商品ページを堂々と転載しておき、売れたら仕入れて、出品者には「プレゼント用なのでー」と伝えて自分の顧客に発送させる。
無在庫推進者「美しい・・・完璧な流れだね。」
本当にそうでしょうか?
出品者が儲かってるからいいじゃないですか?
法律に触れてないし、いいじゃないですか?
誰にも迷惑をかけてないし、いいじゃないですか?
無在庫推進者は声高にそう叫ぶことでしょう。
でも、何か大切なことを忘れていませんか?
無在庫で売るあなたの都合なんて、お客様は知らない
それは、インターネットでモノを買ったことがある人ならばみんな思う、早く欲しいという気持ちを考えていないということです。
もちろん、説明文に納品には時間がかかることを明記しておき、それに納得した人だけが購入しているのだからいいじゃん!と思うかもしれません。
でもそれって売る側の都合であって、買う側はそんなこと知ったことではありませんよね?
今すぐ買える状態にしているから先にお金を払ったのに、到着が4週間から1ヶ月後になると言われた日には、頭にきますよね?
小難しく考える必要などなく、購入者側の率直な気持ちなのです。
無在庫は限定的な状況下で成り立つ絵に描いた餅
こういうことに触れている、無在庫の情報発信者は皆無です。だって、都合が悪いですから・・・。
「今すぐ欲しかったら実店舗にでも行けや!」というのは暴論ですし、「買える状態」にしているのでしたら、入金したら速やかに発送されて届くと思うのが多くの利用者の考えることです。
このあたりが机上の空論だと私は思っているのです。
毎回毎回おとなしく待ってくれて、苦情を一切言わない人「だけ」が買ってくれるという状況であれば成り立つ、「絵に描いた餅」なのです。
無在庫販売で得られるものは?そして失っていくものは?
今まさに、私は頭にきています。
自宅の防犯カメラが壊れたので、同じ型番のカメラをヤフオクで落札したのですが、入金してから5日経過したのに発送される気配がありません。
商品説明文には、無在庫と判断できるようなことは書いていなかったので、入金したらすぐに写真と同じものが送られてくるものと思っていました。今ごろ商品を調達しているのではないでしょうか?
もう「非常に悪い出品者」という評価を下すのも、億劫です。
多くの日本人は、二度と利用したくないサービスや店舗には、もう利用しないという静かな反抗を示します。
私も例に漏れず、二度とこの出品者からは落札しないという気持ちで一杯です。
クレームというものはクレーマー気質な人を除いて、本当に改善して欲しいという気持ちがあるものに対してつけるものです。
その価値すらないと思ったものは、二度と利用しないという手段をとるのです。
無在庫が本当に利用者のためになっているのかを、あなたも利用者の立場で考えてみてください。
無在庫販売で小銭を拾い集める間に、あなたの「信用」はなくなってもいいのでしょうか?